ヤフオクで購入したGIOSのミニベロのシートポストが固着していました。最初はそのまま我慢して乗っていたのですが、結局は違和感が勝ってシートポストを剥がすことに挑戦しました。その奮闘記録をここに残しておきます。
1. 事の発端 〜 抜けないシートポスト
ヤフオクで手に入れた激安のGIOSのMIGNON、バーからドロップハンドル、タイヤ交換、チェーンリング交換などなど自分好みにカスタマイズして、なんとか乗り始めたものの、実はシートポストが固着して、まったく動かない。サドルの高さ調整不可能。商品説明には特に記載されていなかったのですが、激安の理由はこれでした。クロモリフレーム+アルミのシートポストでの自転車あるあるみたいです。同様のブログ記事はネット検索すると多数。
それらを読んでみると、潤滑剤を吹きかけて時間をおくのが定番の対処法らしいので、まずは試してみることに。
2. 試したけれどダメだった方法
潤滑剤を使う
ネット検索で評判の良さそうなAZ スーパーオイルというのを購入。シートポストの隙間に吹きかけ、一晩放置。翌日、サドルをつかんでグイグイやるも、まったく動かず…
シートポストを再利用する気はないし、少しでもズレてくれれば抜けるはずと、シートポストはどうなってもいいと、サドルを外してハンマーでガンガンたたいてみても、びくともせず…
ステム+ステンレスパイプ作戦
これもネットにあった方法ですが、シートポストに使っていないステムを取り付け、ステムの反対側にステンレスパイプを通してテコの原理で回してみました。しかし、それでもまったく動かず、かなりの強敵です。
アルミと鉄の膨張率の違いに期待
熱を加えることで膨張・収縮を利用して隙間を作る方法もあると知り、熱湯と氷水を交互に2回ずつかけて温度差で固着を緩めようとしました。しかし、それでも変化はなく、抜くことはできませんでした。
たぶん、バーナーであぶるとか、もっと高温にしないとダメそう。それだと塗装がダメになるのであきらめ。
3. 最終手段、切断!
もう切るしかなさそう。固着したままでも一応は乗れるけど、いったん切ってしまったら、もう完全に抜くまでは再生不能。たぶん、長時間の格闘になるのかもしれないが、比較的柔らかいアルミなんだからなんとかなるはず。覚悟してまずはサドル取付け部分(ヤグラと呼ぶらしい)の下を切断。パイプの中が見える状態にしました。そこから針金を突っ込んで手探りしてみると、どうもフレームの中に20cm程度入っている模様。そして、ここからが地獄の一週間の始まり。
まずは、フレームの外から見えてるところ迄を十文字に切り込みを入れました。

そしてパイプの内側部分に金ノコを突っ込んで切り込みを広げて、竹を割くようにアルミのパイプを割って取り出そうという作戦です。揃えた道具は以下です。金ノコは100均で。ヤスリはホームセンター・コーナンのオリジナル工具。完全にパイプ割らなくても、隙間にドライバー突っ込んで叩けば緩くなって抜けないかと思い、長めの貫通ドライバーで叩くことも試してみました(結果的にはパイプを完全に切って割るまで抜けませんでしたが..)

アルミパイプの厚みがあるので、金ノコで切り進めてノコの歯が深く入ると、ノコを引くのがきつくなって難しくなりました。切り口に三角ヤスリや某ヤスリを突っ込んでパイプの内側削って薄くする。薄くしたら金ノコでまた切り進める。の繰り返し。

かなり進んだところで、ドライバー突っ込んでこじってみました。これで隙間ができたら緩んで抜けないかと淡い期待。結果、まったく動かない。4分割したパイプを更にもう4分割。8分割して、同じようにドライバー突っ込んでこじってみましたが同じこと。逆に内側に曲げられたパイプの切れ目で余計に複雑なことに。取り除いたシートポストのパイプを見て後から判ったことですが、ノコでの切れ目が、パイプの奥の方まで届いていなくて完全に切れてないのを、無理に剥がそうとしたのが失敗だったみたいです。

このままでは、金ノコ入らないので、ヤスリで削ったりペンチで掴んでねじったりして、内側に曲がったのを除去。奥の方にパイプの残骸が残った状態になってしまいました。フレーム内側に深さ10cmくらいは除去できたので、このままでもシートポストを短く切れば、固定できなくもないけど、ここまで来たらもう最後まで全部取り除きたい。

結局は最初にもどって、金ノコで切る、棒ヤスリで削る、をひたすら繰り返し。ずっと同じ姿勢だと、いろんな所が痛くなってくるので、フレームを立てて上から作業したり、寝かして横から作業したり、体力的にも一日でやれる時間に限りがあり、ほぼ一週間経過。フレーム立てて作業してたら、ある瞬間、カコーンと音を立てて落ちる音。何日もためた便秘が解消したようなすっきり感(^^)

フレームひっくり返すと、シートポストの残骸がバラバラと。

4. 作業を終えて
最終的に、無事にシートポストを取り除くことができました。今回は切断するしか方法がありませんでしたが、固着してしまう前に対策をしておくことが大切だと痛感しました。
今後の対策
- シートポストを定期的に抜いて、グリスを塗る
- 水や湿気が入らないようにする
- アルミとスチールの電蝕を防ぐために専用の防錆剤を使う
もし、同じようにシートポストが固着してしまった方がいたら、この記事が参考になれば幸いです。くれぐれも切断する前に他の方法を試し、それでもダメなら慎重に作業してください!




コメント